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【収益認識基準】-注記- 収益の分解情報

【収益認識基準】収益の分解情報

収益の分解情報

「収益認識に関する開示及び注記」について概要を下記エントリーで解説しました。

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収益認識に関する重要なポイントとして、「5ステップによる収益認識」「収益認識に関する開示及び注記」の2つが特記されますが、「注記」については特にわかりづらいところになるので分解して解説したいと思います。

なお、「5ステップによる収益認識」についてはこちらをご参照ください。

収益認識基準について収益認識基準について  収益認識基準について解説したエントリーをまとめました。 随時、追加していきます。 収益認識基準の5ステ...

 

では、今回は下記の3つの注記項目のうち、「収益の分解情報」についてできる限りわかりやすく解説します。

(1) 収益の分解情報

(2) 収益を理解するための基礎となる情報

(3) 当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報

 

収益の分解情報とは

そもそも収益の分解情報とは何のことか確認しましょう。

企業会計基準第 29 号80-10項には以下のようにあります。

当期に認識した顧客との契約から生じる収益を、収益及びキャッシュ・フローの性質、金額、時期及び不確実性に影響を及ぼす主要な要因に基づく区分に分解して注記する

 

さらに企業会計基準適用指針第 30 号(適用指針)106-3項には以下の記載があります。

収益の分解情報の注記において、収益を分解する程度については、企業の実態に即した事実及び状況に応じて決定する。その結果、複数の区分に分解する必要がある企業もあれば、単一の区分のみで足りる企業もある。

 

簡単にまとめると、会社の実態に即して「収益」・収益・キャッシュ・フローの性質・金額・時期・不確実性に影響を及ぼす区分に分解して注記しましょう、ということです。

「収益」・収益・キャッシュ・フローの性質・金額・時期・不確実性に影響を及ぼす区分に分解

じゃあそれって具体的にはどんな区分なの?という疑問が当然ながら湧いてきます。

 

それについては、適用指針で具体例を示してくれているので確認しましょう(開示区分についてはこれらの例だけに限定されるものではありません)。

 

分解情報の区分例示

収益認識基準の適用指針には以下のとおり、具体例が列挙されています。

(1) 財又はサービスの種類(例えば、主要な製品ライン)

(2) 地理的区分(例えば、国又は地域)

(3) 市場又は顧客の種類(例えば、政府と政府以外の顧客)

(4) 契約の種類(例えば、固定価格と実費精算契約)

(5) 契約期間(例えば、短期契約と長期契約)

(6) 財又はサービスの移転の時期(例えば、一時点で顧客に移転される財又はサービスから生じる収益と一定の期間にわたり移転される財又はサービスから生じる収益)

(7) 販売経路(例えば、消費者に直接販売される財と仲介業者を通じて販売される財)

企業会計基準適用指針第 30 号(適用指針)106-5項

 

分解情報の開示例

これを受けて、「収益認識に関する会計基準の適用指針」の設例[開示例 1]では、注記例を示してくれています。

「収益認識に関する会計基準の適用指針」の設例[開示例 1]

 

この開示例では、まず大枠としてセグメント情報に従って(企業会計基準第 29 号80-11項)「消費者製品」、「輸送」、「エネルギー」と分解した上で、上記の7つ区分から(1) 財又はサービスの種類(例えば、主要な製品ライン) 、(2) 地理的区分(例えば、国又は地域)、(6) 財又はサービスの移転の時期という3つの切り口で情報を開示していることがわかります。

「セグメント情報等の開示に関する会計基準」に従って開示する各報告セグメントの売上高との関係を理解できるように。

また、繰り返しになりますが、これらの収益を分解する程度については、企業の実態に即した形で財務諸表の利用者にとって有用な情報になるよう行うことが求められます。

場合によっては単一の区分で足りることもあり得ますが、過度に簡素にすれば実態を理解しづらくなりますし、一方で過度に分解し過ぎた場合にも理解可能性が阻害されてしまうでしょう。



※なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であり、いずれの団体等の見解を代表するものではありません。 



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