自発的な労働環境の整備の重要性
2022年は転職最盛期となるか
経営財務No.3541内の記事にて、「英国の就業者の半数が転職検討」というトピックスが掲載されています。こちらの記事は諸外国のニュース等を元に掲載されており、元の記事はこちら(リンク添付)のようです。またこちらの記事(リンク添付)も同様の内容に触れたものとなっています。
記事と元資料、いずれも目を通して見ましたが、2022年をビジネスキャリアの転換機と捉える向きがあるようです。
コロナによってRWを余儀なくされたことに伴い、ライフワークバランスを考えるきっかけとなったことで、仕事に対する考え方に変化があったのは日本に限らないことがわかります。と言うより、英国においてはむしろあからさまに大きな変化となっていることが以下の2文だけでもわかります。
ロンドンに住む人々は、職場に最も不満を持っていると言われており、首都圏の調査対象者の63%が退職を考えている。
一方、スコットランドの労働者は、退職を考える可能性が最も低く、半数弱であることがわかった。
労働者によっては歓迎すべき労働市場の変化となっているかもしれませんが、一方で、企業や管理職にとっては耳が痛い状況とも言えるでしょう。
離職が続くと残されたスタッフの業務が過重となり、さらなる離職を招くリスクがあるだけでなく、新たな人材の採用コストや教育コスト(時間的・金銭的)も嵩むことになります。難易度の高い業務やタスクにおいては、知見が蓄積されないどころか失われていくリスクも高まります。
優秀な従業員に長期間働いてもらう環境を整える必要性が高まり、過去にないレベルで経営上の重要タスクとなったことはもはや明らかでしょう。
これまで労働環境の整備は社会問題(パワハラや労災等)を契機に社会的要請に対応する形で行われてきた側面が強くありましたが、もやは各企業が自主的に労働環境の魅力を積極的にアピールする必要がある時代と言えます。
先日、ヤフーが居住地の全国拡大を発表したばかりですが、従業員にとって働きやすい環境の提供は待った無しの課題となりそうです。
※なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であり、いずれの団体等の見解を代表するものではありません。