住民税均等割のGAAP差異と解消
住民税均等割の表示区分に日本基準とIFRSでGAAP差異があるのをご存じでしょうか。
そしてそのGAAP差異は将来的に解消されるようです。
日本基準の住民税均等割
2025年8月現在、現行の日本基準では住民税均等割はPL上の「法人税等」に含めて計上されます。これは「企業会計基準第27号 法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」の第5項の注意書きにその旨記されています。
「所得等に対する法人税、住民税及び事業税等」には、所得に対する法人税、地方法人税、住民税及び事業税(所得割)のほかに、住民税(均等割)及び事業税(付加価値割及び資本割)を含むものとする。
IFRSの住民税均等割
一方、IFRSにおける「法人所得税」では「課税所得を課税標準として課される国内及び国外すべての税金(IAS第12号2項)」をいいます。したがって、住民税均等割や事業税の資本割といった税金については課税標準が課税所得ではないため「法人税所得税」に含まれません。
GAAP差異
これをまとめると下記になります。
住民税均等割の取扱い
日本基準 | IFRS | |
法人税等に含まれるか | 法人税等に含まれれる | 法人所得税に含まれない |
表示区分 | 法人税等 | 販管費 |
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」の見直し
さて、現時点では上記の整理になるのですが、2025年5月からASBJは「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」の見直しに着手しています(詳細は経営財務 No.3715)。
この見直しでは、現状の各税金ごとにその取扱いを示す構成から原則的な定めを設ける形に変更することが検討されていますが、その結果、IFRS同様に住民税均等割は課税所得を課税標準とする税金ではない、という考えに則り「販管費」として表示する整理になっています。ASBJの審議の詳細はこちら→第548回企業会計基準委員会 審議事項(4)-2
こちらの見直しに関する審議が完了し、実際に「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」が見直されるとGAAP差異も解消されることになります。
現時点で当該見直しがいつ完了するかはおそらく未定ですが、公布された際には本記事も適宜修正したいと思います。
※なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であり、いずれの団体等の見解を代表するものではありません。