会計のこと

株式上場(IPO)のメリット・デメリット

 

 

 

前にも少し書いたかもしれませんが、独立してやっていくにあたって株式上場(IPO)準備会社のサポートに力を入れていきたいと考えています。

なぜかと言いますと、公認会計士の仕事のフィールドは意外と広いのですが、その中でもこれから会社を大きくしていきたい、という想い・願いを持っている方と一緒に働きたいと思っているからです。大企業で安定した環境で仕事をするのも良いですが、大きな夢や目標を持ってそれを実現させていく過程に非常に魅力を感じますし、そういった思いを持っている方々にも同様に魅力を感じています。そういった意味で、その過程を体験できるのが株式上場(IPO)準備会社だと考えています。

 

そんなわけで、最近はIPOに関する勉強をしているのですが、せっかくなので学んだことは皆さんと共有できればと思いブログを書いたりしています。

 

 

 

今日は、株式上場(IPO)のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

 

株式上場(IPO)のメリット・デメリット

メリット

①資金調達の多様化&資金調達力の強化

②知名度や信用度の向上

③管理体制の強化

④キャピタルゲインの獲得

 

デメリット

①株主の不安定化のリスク

②ディスクロージャーへの対応

③事務作業・管理コストの増加

 

 

ひとつずつみていきましょう

メリットの詳細

メリット①資金調達の多様化&資金調達力の強化

言うまでもない、という感じもしますがこれが一番のメリットでしょう。株式上場により、大量の株式を発行し多額のキャッシュインフローを純資産として計上することができます。事業拡大や大型の投資をしていくためには有用な手段ですし、fintechの登場によって資金調達の方法や難易度等のハードルはぐっと下がりつつあるものの、上場による資金調達はまだまだ大きな手段です。

また②とも関連しますが、知名度・信用度があがることにより、金融機関からの借り入れもしやすくなりますし、借り入れ条件も良くなります。これは上場に耐えうる管理体制を持つことにより、貸倒のリスクが大幅に減少することに起因します。非上場会社に比べて不正や経営者の使い込み等々のリスクはグッと減ると客観的に判断されるからです。

 

メリット②知名度や信用度の向上

上場によって、メディアやSNS等で企業名が公表される機会が格段に増えるため知名度があがります。上述しましたが、監査意見を得られるだけの体制が整っていることは、それだけで信用度の向上に寄与します(監査に耐えうる管理体制を構築・維持するには会社としてかなりの体力を要するからです)。

このように知名度・信用度があがることにより、借入もしやすくなりますし、与信が受け易くなることによりこれまで取引できなかった企業との取引開始や、取引量の増加等の恩恵も受けられるでしょう。

また優秀な人材の確保もしやすくなりますし、離職率を低下させることもできでしょう。

 

メリット③管理体制の強化

上場のためには精度の高い内部統制の構築が必須となるため、従業員不正の機会の喪失やシステマチックな経営体制の構築等が可能になります。事業拡大によって複雑化していく経営に耐えうる管理体制を構築できます。

 

メリット④キャピタルゲインの獲得

一般的に上場前からの株主である経営者や役員・従業員は保有している株式売却、あるいはストック・オプションの行使による株式売却により利潤を得られる可能性が高くなります。キャピタルゲインによる所得が多額になる場合、給与所得等に比べて税率も有利に働くため、上場によるメリットといえるでしょう。

 

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デメリットの詳細

デメリット①株主の不安定化のリスク

当然、上場により不特定多数の者が会社の株式をもつことになります。そういった意味では常に買収されるリスクが生じます。安定的な株主構成を保てていれば問題ありませんが、そうでなければ継続的に注意を払う必要が生じます。現在はほとんど姿を消しているようですが総会屋にも気を付ける必要があるでしょう。

 

デメリット②ディスクロージャーへの対応

上場すると金融商品取引法により、有価証券報告書や四半期報告書、内部統制報告書等の発行義務を負い、証券取引所の要請により決算短信を発表する必要に迫られます。これらの書類は適時に開示する必要があるため、これらに耐えうる管理体制を構築・維持することが求められます。

 

デメリット③事務作業・管理コストの増加

会社の規模が大きくなればなるほど、間接業務も多くなることは想像に難くないでしょう。特に②を実行すること、監査対応等の管理コストや事務作業の量は、監査する側から見てもかなりの労力と費用が会社の負担になっていたのを目の当たりにしています。

 

 

まとめ

メリット・デメリットと見てきましたがいかがだったでしょうか。デメリットを見るとそこまでして、と思う経営者もいれば、メリットを見てやっぱりIPOを目指そう、と思う経営者もいるかと思います。

 

いち会計士として、株式上場・IPOは会社にとってのゴールでもなければ、それ自体を目標とするべきものでもないと思っています。あくまで本来の会社の事業目的を達成するための手段です。最近ではあえてIPOを目指さない会社も増えているようです。それでもIPOのメリットはやはり大きいですし、夢があるとも思います。IPOを目指している会社の皆様に刺激をもらいながら私自身もその一翼を担えるよう頑張っていきたいと思います。

 

※なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であり、いずれの団体等の見解を代表するものではありません。                                                   

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矢野譲公認会計士・税理士
公認会計士・税理士。 2018年開業、現在はコンサルと税務。行動と継続が座右の銘。趣味は映画と読書と音楽と麻雀と靴と時計。独立会計士の成功モデルを模索・構築中。更新頻度が著しく低いブログ(http://yano-cpa.com)書いてます。NCC通学。
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