グリーンエネルギー業界への期待
グリーンエネルギー業界にGAFAは誕生するのか
Accounting企業会計2月号に日本経済新聞社編集員の小平龍四郎氏の「グリーンGAFAは生まれるか」というコラムが掲載されています。
当ブログでは下記のエントリーで「サステナビリティに関する開示について」として軽くふれましたが、最近の会計関連誌では、「SGDs」「ESG」「脱炭素」などの文字を見ないことはないほどになりました。
GFANZの取り組み
2021年11月頃に開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)のあとにはさまざまなメディアにて、地球の気温上昇を産業革命前に比べて1.5度以下に抑える目標を全会一致で確認したことが取り上げられました。
上記コラム内では、COP26に先立って2021年の4月に組織されたGFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)に期待がかかるとしています。
GFANZは日本で「ネットゼロのためのグラスゴー金融連合」であり(グラスゴーはイギリスのスコットランド南西部に位置する都市)、
世界約450の銀行、保険会社、資産運用会社が集まった有志連合だ。加盟社の保有する投融資総額は約130ドルと、世界全体の金融資産の4割に相当する。
とあり、その重要性が伺えます。
そしてこのGFANZの脱炭素の取組みとして、投融資の内容が全体としてネットゼロ目標に沿うような「ポートフォリオ・アラインメント」を責務としています。
フィデリティ・インターナショナルでは
2兆ドル以上を運用するフィデリティ・インターナショナルはGFANZへの参加を見送っていますが、「ポートフォリオの脱炭素化」をかがげ、フィデリティの求めに届かない企業については役員の選任議案に反対したり、それでも改善しない場合には、投資撤退(ダイベストメント)も辞さないという姿勢を示しています。
企業との関係を重視する長期投資家とみられていたフィデリティが「ダイベストメント」に言及した点は、注目に値する。
人新生の「資本論」では
2020年から2021年にかけてベストセラーになった人新世の「資本論」では、人新生の現代において、もはや経済活動にブレーキをかけないことには環境問題を解決することはできない(つまりこれまでの資本主義におけるテクノロジーだけでは環境問題は解決できない)という指摘がありました。一方でそのような解決策は現実的でない、という指摘も見ます。
いずれにしてもテクノロジーなくして環境問題に立ち向かうことはできないのは明白です。
グリーンボンドの発行額は急上昇しており、これをバブルと見るむきもあるようですが、バブルなくしてGAFAが生まれなかったように、COP26がグリーンGAFAの誕生のきっかけになるかどうか、とコラム筆者は見ているようです。
環境省ホームページから抜粋
昨今のニュースを見る限りグリーンエネルギーに関しては、まだまだ開発段階といった印象が強いですが、環境問題の解決という観点、そして経済成長という観点からも、グリーンエネルギー市場の飛躍的な発展が望まれます。
※なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であり、いずれの団体等の見解を代表するものではありません。