第三者が理解・検証可能な形で情報を残すこと

石垣島の浜辺

※夏休みで行った石垣島の浜辺(本文には関係ない)

わかりやすい文書化をする

経理業務では、作成した資料、あるいは、資料を作成するための補助資料等、あらゆる情報を、第三者が理解・検証可能な形で残すことが非常に重要です。

確実に自分しか見ない資料ならいざ知らず、業務の特性上同僚や上長のレビューが入ることが多い経理業務において、ある程度の知見を持った第三者であれば見て理解できる、というのが情報として最低限求められるレベルです。

極論ですが、後で見た時に理解できない情報に価値はありません。

 

会計監査の世界では

参考までに会計監査の世界では、資料(監査調書)は以下のように作成することが求められています。

監査人は、経験豊富な監査人が、以前に当該監査に関与していなくとも以下の事項を理解できるように、監査調書を作成しなければならない。

(1) 一般に公正妥当と認められる監査の基準及び適用される法令等に準拠して実施した監査手続の種類時期及び範囲
(2) 監査手続を実施した結果及び入手した監査証拠
(3) 監査の過程で生じた重要な事項とその結論及びその際になされた職業的専門家としての重要な判断

監査基準委員会報告書230

※赤字及び太字は筆者加筆

このように書かれると小難しい感じがしますが、要するに

① a.どんな作業を b.いつ c.どれくらい実施したか

② a.実施した作業の結果と、b.使用した資料

③ a.重要なこと、b.結論、c.行った判断

を記載しましょう、ということです。

これは、監査の世界だけでなく、会計の世界で生きていく者として持っていたい共通のスキルです。

 

こういった文書化(資料作成)の能力はやればやるだけ磨かれていきます。が、常に、第三者が見たときにどう見えるか、を意識することが重要です。

自分本位の資料作成ばかりしていては磨かれるものも磨かれません。

 

では、第三者が見やすい資料とはどういう資料でしょうか?

他者が理解しやすい資料作成のコツをお伝えします。

 

他者が理解しやすい資料を作成する時のコツ

リファレンスを振る(各資料のどことどこが一致しているか)

以下の図のように、使用する数値や結論がどこから導き出されたものか、明瞭に示してあげることが大切です。

これは、1つの資料の中だけでなく、複数にまたがって資料を作成するときも同様で、むしろそういった時ほど重要性が増します。

下記、例では太枠の中に検証結果を記載していますが、その際にどことどこの金額を比較したのかわかるよう、「α」と「β」を使用してわかりやすくしています(ここではさらに誤解が生じないよう、日本語の文章も丁寧にに記載しています)。

——————≪リファレンスの例≫——————

他にも、社会保険料を算出するときに使用する料率や、税効果会計の計算時の税率等、について、参照したホームページのリンクや出典元、計算式等を記載しておくこと等も重要です

 

単位や、作成日等の情報を記載する

数値の単位や、作成日等の情報は必ず入れましょう。

単に「100」と書いてある場合、「円」なのか「ドル」なのか「百万円」なのかわかりません。はたまた「人」や「秒」の可能性もあります。

勿論、文脈や前後関係で読み取れることが多いものではありますが、違う捉えられ方をした場合、大問題になりかねません。

 

また日付情報も重要です。ある会社の株価が1,000円だとして、2019年12月31日時点なのか、2000年12月31日時点なのかで情報の持つ意味は天と地ほど違います。

 

エクセルの計算式を使用する

会計に関する資料ではエクセルを使用するケースが多くあると思いますが、計算を行う場合には必ず関数や計算式を入力し、データを見たときに検証可能な形で保存しましょう。

計算結果がベタ打ちされた状態だと、その数値が何を意味しているか、どこから参照された数値なのか分かりにくくなってしまいます(リファレンスを振る(各資料のどことどこが一致しているか)に通ずるものでもあります)。

 

フォントや文字の大きさ、色を統一する

フォントや文字の大きさは必ず統一しましょう。

あまり気にならない人もいるようですが、個人的には非常に大事な要素だと考えています。

細かいところに気を使えない人に、理解しやすい資料を作るの。

まずはフォントや文字の大きさから気を付けるようにしましょう。

ちなみにオススメのフォントは「Meiryo UI」です。見やすいフォントランキングNo.1の栄光を飾ります。

 

また余談ですが、エクセルの場合には、セルの結合はしないようにしましょう(詳細についてはいつか別途書きたいと思います)。余談過ぎて消そうか迷いましたが残しておきます。

 

色を使いすぎない

「情報を整理しよう」「見やすくしよう」として陥りがちなのが色の使いわけですが、色の使用は多くても3色程度に収め、できる限りシンプルに仕上げましょう。

自分ではきれいに仕上げたつもりでも、意外とごちゃごちゃしてしまったり、何が重要なのかわかりづらくなったりしやすいので、原則としてシンプルに仕上げることを意識すると良いでしょう。

 

最後に

情報やデータは誰かに伝えるためにあります。

それは未来の自分かもしれないですし、同僚や上司、あるいは、クライアントかもしれません。

誰に伝えるためであっても共通するのは、わかりやすい情報が好まれるということです。

 

これをきっかけに相手の立場にたって伝える技術を磨いてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

※なお、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であり、いずれの団体等の見解を代表するものではありません。                                                   

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矢野譲公認会計士・税理士

公認会計士・税理士。 2018年開業、現在はコンサルと税務。行動と継続が座右の銘。趣味は映画と読書と音楽と麻雀と靴と時計。独立会計士の成功モデルを模索・構築中。更新頻度が著しく低いブログ(http://yano-cpa.com)書いてます。Nintendo Switchのスマブラ最近はじめました!対戦相手募集中!NCC通学。

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